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今まで多くの見積現場にゆき、結構な頻度で見てきた後継。
それが親子喧嘩になります。
喧嘩と言ってももちろん殴り合いではなく、「口喧嘩」とか「言い合い」程度なのでご安心ください(;^_^A
親子ではない場合はガンコな高齢者 VS ケアマネさん/市役所の職員さんという感じになります。
何が理由で喧嘩しているかというと「片づける」か「片づけない」かになります。
今の高齢者、よく言う「昔の人」は物資不足の戦後の時代を生き抜いてこられた方で「物を大切にする」と言われたりします。
物を大切にすること自体は問題ないのですが、それがエスカレートすると家の中がものだらけ、食品が腐って異臭を放ってもそのまま放置して虫やネズミなどの小動物が発生する原因になってしまいます。
さらに高齢になると身体が弱くなりゴミ出しができないので家の中は比較的早期にゴミ屋敷化していくことになります。
そして久しぶりに帰省した息子さんや娘さんが家の中に入って腰を抜かしてしまうというのが私が見聞きする話となります。
当然、息子さん娘さんはご両親に家を片づけるように進言しますが、運が悪いことにそれが結構ガンコなご両親だったりすると家にたまったものを指さし、「これはうちの財産だ!」、「捨てるなんでもったいない!」、「俺がそのうちやる!」と押し問答になり、息子さん娘さんたちが途方に暮れることになります。
ましてや業者に頼むという話になると顔を真っ赤にして「そんな無駄なお金は使うな!」と怒り出す始末。
もうどうして良いかわかりません。
当社は10年この仕事をやってきて親子喧嘩の末に結局片づけることができず、片づけることができたのは結局ご両親が老人施設に入ったり、亡くなられてからということを目のあたりにしてきました。
結論を言いますと、「ボランティアの方に家の中を片づけてもらいましょう!」です。
そう、ボランティアです。
本当の本当に家の中のものが全てを財産と思っていない限り、これでかなりのご両親がOKを出します!
実際には息子さんや娘さんが料金をお支払いくださるのですが、ご両親にとっていざ【無料】ということが分かると心が動くようなのです。
高齢のご両親も本当は片づけたいと思っている方が多いのです。
本当は歩くのもままならないゴミ屋敷の部屋には住みたくない、
本当は生ごみが腐って異臭を放つ家には住みたくない、
本当はゴキブリやハエ、ましてやネズミがうろちょろする家には住みたくない、
本当はトイレが間に合わず排泄物がこびりついている床を歩きたくはない、
本当は粗相してしまった冷たくて、汚れたお布団の中で寝たくはないのです。。。。。
恐らくガンコなご両親は息子さんや娘さんに余計な面倒をかけたくない、経済的に負担を背負わせたくない親心が物凄くガンコな姿勢となって現れているのではないかと思います。
ある意味、我が子のことを思うからこその親心が見え隠れする部分ではあると思います。
なぜならば「無料」で「自身の子供に負担がない」ことが分かると「ならお願いしよう」になるからです。
ではどれほど【ボランティア】作戦で成功した事例があるかというと、ここ最近5年間で30件ほどは成功させているかと思います。
なぜここ最近5年間かといいますと、このボランティア作戦は今から5年ほど前(2019年)ころに思いついた作戦だからです。
そこからイメージではありますが、二か月に1度くらいのペースでガンコご両親案件がある度に息子さん娘さんなどのご協力のもと「ボランティアさんにお願いしましょう」と説得しながら話をすすめてきました。
もちろん全てが成功するわけではありませんし説得できなかった事例も何件もありますが、「絶対にダメ」から「考えてみる」に態度が軟化したりと一定の進展は見られたりしました。
因みに以下で紹介するYouTube動画はゴミ屋敷片付けに伴うトイレ清掃の動画になります。
実はボランティア作戦はここから始まりました。
ガンコなお父様を説得するために、この家の娘様から「ボランティア」として作業して欲しいと依頼されたのがきっかけになります。
いつも当社のホームページをご覧になってくださいまして誠にありがとうございます。
今回は当社の大きな事業の柱の一つである特殊清掃の会社案内が完成しましたので皆様に紹介したいと思います。
ご存じの通り、当社は2014年の開業以来(株式会社化は2016年)、遺品整理や家財処分の仕事を行ってきました。
また当時より孤独死現場の特殊清掃、ゴミ屋敷やペット屋敷、おしっこ入りペットボトル屋敷などの特殊現場の作業も数多くこなしてまいりました。
当初より会社案内はあったものの、通常の遺品整理や家財処分のほかにも「こんな現場もやっています!」程度の紹介でしかありませんでした。
もともとゴミ屋敷などの片付けは同業の中でも多いほうだったにもかかわらずあまり積極的な広報活動はしておりませんでした。
しかしながら市役所さんや包括支援センターさん、社会福祉協議会さんをはじめ、特に不動産管理会社系の会社様より特殊清掃に特化した会社案内をご要望されることが多くなったため、皆様のご要望にこたえるべく作成させて頂きました。
私は今まで依頼されて10回ほど講演会をさせて頂いてきたことがあります。
そこで必ず尋ねられたのが「どうやって業者を探せばよいか分からない」というもの。
実際、遠方に住む私の親族や友人からも問い合わせを受けることもあります。
確かにこの片付け業界の人間は海千山千のよくわからない人が多い。
グーグルで検索してヒットした業者がなんとなく良い感じがしたので電話したら話し方が乱暴だったり、見積に来てくれた業者さんが無精ひげがのび、汚れた服装、ぼさぼさの髪のおじさんがだったりして「正直家に上げたくなかった・・・・」という話もお客様から聞くこともある。
見積の最中に家の中でタバコを吸われたというあきれるような体験をされた方もおり、これらは業界あげて何とかしなくてはならない問題なのかとも思う。
今回は多くの方が悩む業者選びに関して一つ有益と思われる情報を皆さんにお伝えできればと考えております。
私はこの遺品整理・特殊清掃などの仕事を始めて10年になり、年間300件近い案件をこなしております。
お得意先も市役所、社会福祉協議会、地域包括支援センター、不動産業者、大家さん、弁護士、司法書士から警察まで多岐にわたります。
たくさんの業種の方からたくさんの遺品整理・特殊清掃のお仕事を頂いており、「ここに尋ねればかなりの精度でよい業者さんを紹介して頂ける」というのは経験上自信を持って皆さまにお伝えできる立場にあるのではないかと自負しております。
結論はまっ先にお伝えしますが、最後までお読みくだされば何故私がそこを業者紹介の場所としてお勧めするのかがより詳しくわかって頂けるものかと思います。
もう答えを言ってしまいましたが、もうちょっと詳しく言うと問い合わせる先は市役所の高齢介護課や生活保護担当をしている福祉関係の部門になります。
地域によって呼び方は違いますが、「高齢介護課」「生活支援課」「社会福祉課」といった名前になっている場合が多いです。
よくわからないときは市役所の代表番号に電話して「生活保護関係か高齢福祉関連の部署につないでください」と伝えれば大丈夫です。
この市役所の生活保護関係の部門に問合せ、業者を紹介して欲しいと伝えれば積極的ではないにしろ業者を紹介してくれたり、アドバイスをしてくださったりします。
「積極的ではない」というのは市役所さんは業者を紹介する場所ではないからです。
むしろ公平公正を保つためには業者を紹介しないというのが基本姿勢です。
なのでちょっと渋られることもありますが、「せっかく頼って問合せをしてくださる市民のお願いを無下に断ることもできない」とのことで教えてくださったりします。
市役所の福祉関係の部署は独りで生活が困難になったかたを介護施設の入所を手助けしたり、それに伴いそれまで住んでいた方の家財を処分したりする業者手配をしたりしています。
高齢化社会のためかそのような方は非常に多く、当社も毎月数多くのお仕事を市役所さんから直接、間接的に頂きこなしてきております。
そして市役所さんのお仕事は基本3社の合い見積もりで業者選定が行われる。
当社も勝つことも多いですが、当然負けることもあります。
市役所さんはそんな遺品整理や家財処分の片付け業者を数多く抱えておりリスト化しているのです。
リスト化された業者たちは市役所さんに①見積金額の優位性、②作業の質、③対応に問題がないかなどを常にチェックされることになります。
当然、見積金額が高すぎたり、作業の質が悪かったり、対応に問題あるような業者は常にリストから外され、新しい業者を入れたりとシャッフルされ続けることになります。
当社もリストから外れないように毎回見積は慎重に、挨拶や服装もしっかりし、作業の質の向上するよう頑張りつづけなんとか10年リストから落っこちずに頑張ってきております(;^_^A
そうやって市役所さんにはたくさんの業者さんのうち、頑張っている業者さんが名簿にのこっていくことになります。
つまり市役所さんが紹介する業者にはまずもって変な業者はいないと考えてよいでしょう。
これらが私が市役所さんを推す理由になります。
【※注 すべての固有名詞は仮名となり、市町村名などは全てフェイクとなります。】
夕方電話が鳴った。
スマホの画面には「佐藤様 栃木市 遺品整理」という名前が表示される。
はめていた手袋をとり慌てて電話にでる。
「田中と申します。」と女性が名乗った。
女性の名前は登録されている名前と違った。
「数年前ですが妹の遺品整理をお願いしたものなのですが、また家財処分をお願いしたくてお電話させて頂きました。」
仕事柄一般のお客様のリピーターさんはあまり多くないが、リピーターさんが来られるということは前回のお仕事に満足して頂けたという事。
リピーターさんには感謝しかない。
しかしスマホに登録されている名前と今お客様本人が名乗っている名前が違う。
どうしてもお客様の顔が思い出せない。
思い出せないながらも、お客様にご住所を伺い、お見積りにお伺いする日を決めた。
約束した時間に指定された住所に到着しインターホンをならす。
扉を開けたお客様のお顔には確かに見覚えがあった。
私の一瞬戸惑った表情を察したのか、一通り挨拶を済ませた後にお客様が事情を説明してくださった。
お客様は再婚されたことで苗字がかわっていたのだ。
元夫とは十数年前に死別しており、元夫と生活していた家の片付けを現在の夫に手伝わせるのは申し訳ないと思い週末を利用して一人で家を片づけていたとのことだった。
家の中をからっぽにしたら売りに出すとのことだった。
しかし、20年以上住んでいた家には物が多すぎてとても一人で片づけるのは容易ではなく、数年前に妹さんの遺品整理で利用した当社を思い出し連絡をくださったとのことでした。
家にはお客様と元夫、娘さんと息子さんの4人で住んでいたとあってかなりの物量だ。
部屋数も6つもありどの部屋にも大型の家具が備え付けられている。
処分せずに小山市にあるご実家に持っていくという荷物には《処分しない!》と書かれた張り紙がしてある。
元夫の遺影や位牌、娘さんの持ち物、アンティーク風の3人掛けソファ、製造年の新しいテレビ、アルバムや未使用の洗濯用洗剤などなど。
どれも未使用品や高額なもの、思い出の品だった。
そんな中に一つ違和感を覚えるようなものに《処分しない!》の張り紙がはってあった。
それはリビングに置いてある非常に古いタイプのファックスや留守番電話機能のある複合電話機。
100年昔のアンティークの電話機というわけではなく、10数年昔の単に古いだけの電話機。
しかも手垢けっこう薄汚れている。
正直言って「何のためにこんな電話機を取り置きしておくんだろ」と思った。
その後、帰社して御見積書を作成。
お見積りを提示するとそのまま当社にお任せいただけることになった。
作業は順調にすすんだ。
お客様が事前にどれを残し、どれを捨てるかはっきりしていてくれたお陰で非常に作業はしやすい。
たまにお客様がお茶の差し入れに現場に来てくださり、非常に和やかな雰囲気のなかの仕事。
物量がともかく多く全ての作業を終了させるのに合計3日かかった。
作業の最中はお客様はずっと屋内におり作業を見守っていた。
思い出の品と最後の別れの挨拶をしているようだった。
壊れたおもちゃから、プラモデルから仕事の道具まで全てのものに思い出が詰まっており、全てが思い出の品だ。
たまに思い出したようにものを手に取り思い出話をしてくださった。
作業2日目に入るとリビングにあったものが全てなくなり、そこに《処分しない》と書かれた家具や家電などを一か所にまとめた。
《処分しない》ものが多いと導線の邪魔になったり、間違って捨ててしまわないか何かと気を遣う。
これでようやっとのびのびと片付け作業を行うことができる!
一気に片付け作業がはかどりだした。
いつも当社のホームページをご訪問してくださりありがとうございます。
今回は当社のパンフレットが最新版になりました。
宜しければ添付PDFファイルをご覧いただければと思います。
また、ダウンロードして印刷して頂くことも可能です。
皆様でぜひとも回覧してくださいませ!(^^)/
「今住んでいる団地の外壁修繕があり、外から家の中が覗かれてしまうので至急お願いします。」
電話の声は若い感じの女性だった。
話を聞くと家の中は酷いゴミ屋敷状態とのこと。
仕事が忙しく、朝早く夜遅い生活ですっかり家の中を片づけることができなくなってしまったとのこと。
お客様は大手の企業に勤めるキャリアウーマンだった。
作業を急いでほしいというのには理由があった。
今住んでいる団地の外壁修繕で建物全体に足場がかけられ作業員がいつでも家の中を覗ける状態になってしまったとのこと。
しかも外壁塗装の作業は数日後に迫っている。
家の中を見られない為にも一刻も早く作業をして欲しいとのことでした。
その日の昼過ぎには現場を抜け出しお客様宅にお伺いした。
※今回もいつもの通り若干のフェイクを加え個人情報に配慮しながら大筋で事実通りお伝えしていきたいと思います。
※この現場の動画はこの記事の一番下に置いておきます。宜しければご覧くださいませ。
※動画撮影・YouTube投稿・当社ホームページでの利用全て許可を得ております。
建物全体に足場が組まれた団地に到着し、お客様の扉のインターホンを鳴らす。
すぐにお客様が出てきて玄関があいた。
「あれ!?」 すごくこざっぱりと綺麗な感じな玄関であり事前に伺っていた「ゴミ屋敷」とは違った。
私の戸惑った表情を察したのか、「奥がすごいんですよ!」とお客様。
玄関だけは誰かが来た時のために何とか綺麗に保っているとのことだった。
玄関入ってすぐのキッチンから「これとこれを処分して欲しい」といくつも処分するものを伝えながら奥の部屋に向かう。
「ここです・・・。笑わないでください・・・・。」
重い引き戸をけるとそこ一面にタバコのフィルターとゴミが部屋一面に積みあがっていた。
部屋の中は非常に強いタバコ臭で一歩歩くごとにタバコの灰が舞い上がる。
通常のサージカルマスクしかしておらず、マスクを突き抜けて強いタバコ臭が肺に入る。
私は今でこそタバコをやめてしまったが、20年以上タバコを嗜んでいたこともありタバコの臭いには耐性があると思っていたが、この現場のタバコ臭はケタ違いだった。
見るとベッド脇には私の腰の高さほどもあるタバコの吸い殻が積みあがっている。
小さなタバコのフィルターがこの高さまで積みあがるには何年かかるのだろうかという思いが一瞬頭をよぎる。
部屋の入口に立つお客様が「この部屋を完全にからっぽにしてください。全てを捨ててください。」と言った。
現場には特殊なマスクをいくつも持参した。
通常のサージカルマスクでは肺が持たないことは見積時点で分かっていた。
社員には別の部屋をまかせ私がタバコ部屋を担当した。
通常一番汚れている部屋は私が担当する。
特殊なマスクのおかげでたまにむせる程度で作業は順調にすすんだ。
床のゴミをある程度ゴミ袋につめ、ベッドを解体する。
ベッドの下にもゴミが大量にある。
それらを取り切ったところでベッドの枠を撤去。
すると枕元に高く積まれていたタバコのフィルタが零れ落ちる。
あらためて凄い高さなのを実感した。
タバコの吸い殻が大量にある家は正直珍しくない。
しかし、ここは別格だった。
スコップでタバコの吸い殻をすくいとり袋詰めする。
スコップで救い上げるたびに大量の灰が舞う。息を殺しながらの作業だ。
たまにマスクの隙間から灰が入り込みむせびながらも作業は順調にすすむ。
そんな地味な作業を数時間続けようやく部屋の中は片付いた。
吸い殻を集めた袋は一体何袋になったのか正直分からない。
数えていなかったし、そんな余裕はなかった。
電話に出て一通り挨拶を交わすと最初に伝えられた言葉が「大至急ゴミ屋敷の部屋を引越してください!」だった。
一瞬何をどうして欲しいかが呑み込めず「ゴミ屋敷の引越しですか?」と聞き返してしまった。
女性の話を要約するとこうだった。
今住んでいる部屋の退去が2日後に迫ったが、全く引越しの梱包作業が進まずどうしてよいか分からないとのことだった。
部屋は腰のあたりまでゴミが積みあがっており、重要な書類やアクセサリー類が埋もれており、そのまま全てを捨てることができないとのことでした。
2か月以上前に引越し業者数社に問合せしたものの全ての業者からは断られ、見積に来た業者も部屋の中をみるなりちょっと小ばかにするような笑みを浮かべられたりと散々な目にあったとのことでした。
今回はこの女性宅の引越しについてお話しようと思います。
※ブログにする許可は頂いております。
※写真の掲載はNGとなっております。
※使用されている写真は別の現場の写真、もしくは有料素材サイトから購入したものになります。
いつもの通り若干のフェイクを加えつつ話が事実と大幅に変わらないようにお伝えしていきたいと思います。
お客様宅に到着すると外で20代の女性が出迎えてくれた。
2月末でかなり寒い日だったにも関わらず約束した時間よりずいぶん前からマンション前で立って待っていたようで女性は耳が真っ赤になっており、震えていた。
人の出入りを気にしながら自室の扉前に案内する姿にいつも辛い思いをされながら暮らさていたのだろうと思った。
周囲を気にしながらドアを開ける。
開けた瞬間に扉の外にゴミがこぼれる。
それを慌てて部屋の中に投げ入れる。
「さ、早く!」 慌てて室内に入った。
ゴミは腰のあたりまであるとのことだったが、女性の身長でも膝丈より上くらい。私の身長でいえば膝丈より下くらいにしかゴミはなかった。
「この物量ならなんとかなるな・・・・。」そう思いながら部屋の中を見渡す。
「この部屋の中のゴミを片付けながら、必要なものをより分けて引越しするのでしょうか?」
「いえ、この部屋にあるものを全て契約してある別の家に持っていきたいのです。」女性が答えた。
聞くと仕事上の重要な書類や大切にしていたアクセサリーがゴミの中に入っておりそれらは捨てるわけにはいかないとのこと。
次の家にゴミごと全てを運びそこで仕分けをされたいとのことでした。
仕事から疲れ果てて帰ってきて書類やらを置きっぱなしにして、それがだんだんとゴミに埋もれて行ってしまい非常に困っているとのことでした。
また、指輪やネックレスはお風呂に入る時に外して、適当な場所におきその後転がったりしてゴミの隙間に入ってしまったとのことでした。
「これら全てを段ボールに入れて運ぶと大変な量になりますよ。踏まれて圧縮されているゴミが膨らんで数倍になりますから次のお部屋に入らない可能性もあります。」
そう伝えると次の家はワンルームではなく2DKにしたと伝えられた。
退去日が間近であり、ともかく早く作業して欲しいとのことでした。
部屋の中を見渡す。
ワンルームとは言え、膝丈下のゴミが積もっており収納にも物が詰まっている。
小型家具やベッド、冷蔵庫、洗濯機もありワンルームにしてはかなりの物量になる。
お客様からの依頼で部屋にある小型のものはゴミも含めて全て段ボールに詰めてほしいとのことでした。
ゴミ屋敷になっているので種類別に段ボールに入れるわけにもいかない。
段ボールには台所にあったもの、浴室のもの、玄関付近のもの、ベッド脇など箱詰めしたものがおおよそどこら辺にあったのかを記載して欲しいと話が合った。
そうすれあなんとなく何がありそうなのかイメージができるかもしれないとのことでした。
必要な段ボールの数、投入するスタッフ、作業時間を考えてお客様にお見積りを提示した。
「まだ家の中には10匹以上の猫がいますので逃げないように家に入ったら玄関はすぐに閉めてください。」
そう言われて私たちは玄関の扉をあけた。
猫特有の強烈な悪臭に、アンモニア臭がまざり一瞬で目が痛くなる。
玄関から猫の尿と糞が混じりヘドロ状になった汚物が長靴に張り付く。
家中猫のひっかき傷だらけで壁も家具もすべてがぼろぼろになっている。
「今回もある意味やりがいがある現場だな。。。。」と思いながら糞尿で汚染された廊下を歩き奥のリビングに向かった。
突然、足元から猫が飛び出して廊下の奥にかけていく。
猫についていくとそこは部屋一面糞尿で茶色になったリビングだった。
そこには二階につづく階段や冷蔵庫の上、テーブルの上に数匹の猫がいた。
猫たちはじっと私たちを見つめていました。
通常の猫と決定的に異なるのは猫たちに全く表情がないこと。
手を近づけても、「にゃんにゃん」と声をかけても、餌を口元に持って行っても微動だにしない。
鳴き声も一切ださない、目もどこかをぼーっと見つめているだけで表情という表情が一つもない。
猫たちは精神に異常をきたしているとしか思えなかった。
猫たちの目は、死んでいた。
「すみません。群馬県の○○市なのですが来て頂けますでしょうか?」
電話をとると明らかに恐る恐る問合せされたと思われる声で女性が話した。
「はい、何も問題ありませんよ。お片付けのお見積りをご希望でしょうか?」
いつもの通り答えると、重い口調で女性が話だした。
話を聞くと、女性2名と男性1名が住んでいた家の中で何10匹もの猫が多頭飼育されており、家の中が糞尿に塗れて酷いことになっているとのことでした。
家の中はもともと高齢の女性が綺麗に保っていたものの、その女性が亡くなってからは誰も家の中を掃除する人がいなくなり数年で一気に汚れてしまったとのことでした。
今回問合せして下さった女性は、家を汚してしまった方のご親族でした。
ペット屋敷に残った2人は障碍者手帳をもち判断能力がないとの事で、ご親族が家の片付けを何とかすることになったとのことでした。
ご親族たちには責任はないものの酷い悪臭で近所からクレームを浴び、猫の世話をするために2日に1回は猛烈な悪臭がする家に通い続けているとのことでした。
ともかく一刻も早く見積りをして欲しいとのことで、翌日には現場にお伺いすることにしました。
現場は群馬県の片田舎にある住宅街。
すぐ近くには緑豊かな山が連なり、また綺麗な小川が流れ、初夏のぽかぽか陽気。
仕事でなければそのまま山道にはいりドライブを楽しみたい気分にもなりそうだ。
そんなのどかな田舎の一角に多頭飼育崩壊によるペット屋敷があるとはなかなか想像できない。
私は酷い現場で作業してきた経験はある方だと思うものの、特に猫のペット屋敷に関しては毎回中に入るのにもちょっと勇気がいる。
猫のおしっこ臭はただでさえかなりきついのに加えて、猫はタンスの上や狭いところ、ベッドの下などどこにでも排泄する。
実際の片付け作業では高いところにあるものを下ろす度に猫のフンが頭に降り注ぎ、粉末になった糞のホコリが充満、ただでさえ猛烈な悪臭の作業現場が殺人的なものになる。
なので基本は窓を全開にして作業させて頂きたいとお願いする。
もちろん窓を開けていても悪臭は猛烈だし、大変な作業になることには変わりはない。
ただ窓が開いているだけで、苦しくなった時にすぐに息継ぎが出来たりと、作業の大変さは雲泥の差だ。
しかし、今回のお客様の依頼は窓や玄関を締め切った状態で作業して欲しいとのことだった。
理由は簡単。 近所迷惑になるからだ。
また、家の中にまだ10匹以上の生きた猫がおり、脱走しないようにして欲しいからとの事でした。
すでにご親族は近所からのクレームの嵐で精神的にかなりまいっているいるようでした。
窓を閉め切った状態での作業はもちろん割増料金となる。
ご依頼者様には申し訳ないと思うものの、窓が開いているか否かで作業の大変さは全くことなる。
お客様からのご要望は以下の通りだった。
①窓は締め切った状態で作業して欲しい。
②玄関は汚染された家財を搬出するときのみで出来る限り早く扉は閉めてほしい。
③床に張り付いた糞は出来る限り剥がして欲しい。
④猫の死骸が出てきたら火葬して欲しい。
この条件でお見積りを提示すると、その場ですぐに当社に作業をお任せいただく事になった。
非常に明るい感じの男性から電話がかかってきた。
声の感じから20代半ばから30代前半。
「ちょっと家の中を汚してしまいまして。いわゆるゴミ屋敷ってやつなのかな? とりあえず見に来てください。」
5分ほどの会話だったが悲壮感などは微塵も感じることはなかった。
会話の最中、お客様は終始フレンドリーであり、話は非常に和やかで笑いに満ちていた。
私はお客様とお見積りにお伺いする日時をお約束して電話を切った。
お見積り当日、現れたのはどこにでもいるさわやか系のお兄さん。
ぱっとみ20代後半。
名刺を渡し挨拶をすると「ちょっと汚しちゃって! まぁ見てください。自分で片づけるのはもう諦めました!」と笑顔で答えてくれた。
ワンルームマンションのお部屋に案内され「びっくりしますよ(笑)」と言いながら扉を開ける。
玄関から中をのぞく。
カーテンは閉められ、部屋の中は薄暗い。
かなり散らかった部屋ともいえる程度の軽度のゴミ屋敷といったところだ。
「おどろいちゃったですよね」と笑いながら家の中に案内されたが、物量からしておどろくにはまだほど遠い。
「まだ全然きれいなほうですよ」と笑って答える。
散らかっているものの台所もトイレも浴室も綺麗だ。
まだ足の踏み場はところどころあるし、ワンルームの片付けなので作業開始2~3時間で終了するかなと思っていた。
お客様が電気をつけた。
と、一面に大量のペットボトルがあるのがわかった。
しかも中身入りだ。
薄暗い中ではペットボトルがたくさんあるのはわかっていたが、中身が入っているのはよく見えなかった。
明かるい室内だと中身がオシッコであるとすぐわかる。
また、壁にも買い物袋が吊り下げられており、その中にも液体が入っている。
よく見るとそれらも尿であることが分かった。
正直、これにはびっくりした。
今までたくさんの尿入りペットボトルがあるお部屋を片付けてきたが、みなゴミ屋敷でトイレの扉が開閉できない状態だったり、詰まっていてトイレ自体が使えない状態になっていたからだ。
今回の現場ではトイレは綺麗な状態に保たれており、普通に使用できる状態だったのだ。
以下の動画はその現場の喪にになります。
もちろんYouTubeに動画をあげるのは許可を頂いております。
壮絶な現場にも関わらず、お客様が非常に明るいかたであったので動画内での私の語り口調も明るめになっています。
会話を続けていると、男性は大の映画好きで会社から戻ると毎晩のように映画を数本みていたとのこと。
ジャンルはホラーから感動的なもの、アクション、ミステリーなど恋愛もの以外はほぼ全て好きとのこと。
しかも大のビール好き。映画鑑賞をしている最中はずっとビールを飲むとのことでした。
そしてハラハラドキドキ、感動のシーンで涙を流しているとき、あまりにも怖くてトイレに行きたくないときはその時の高揚している気分をトイレに行くことで壊さない為にペットボトルにおしっこをしていたとのことでした。
「だから普段はふつうにトイレでオシッコしてます!」とあっけらかんに笑う男性。
だからかもしれない。 尿入りペットボトル入りの数も他の現場からすると数が少なかった。
あまりにも悲壮感のなさに私も一緒に笑いながら映画談義に花を咲かせた。
それにしても尿入りのコンビニ買い物袋にも尿をため込んでしまい、袋から尿が漏れ出していないことに袋メーカーの技術力の高さを感じた。
こんにちは、高橋です。
今回は社員寮におしっこ入りペットボトルを貯めてしまい窮地に陥った男性のお話をしてみようと思います。
いつもの通り、フェイクを交え個人情報などが特定されないよう、大筋で事実通りにお伝えしていこうと思います。
今回はホームページへの写真掲載NGの為、使用している写真は別現場のものとなります。
鳴った電話に出るなり悲痛な声で男性が話だした。
「どうされましたか? 片付けのご依頼ですね? ご事情をお伺いします。」
このパターンもうちとしてはさほど珍しくなくいつもと同じように冷静に受け答えをする。
話を聞くと、男性は30台半ばの建設系会社のサラリーマン。
社員寮に住んでいるのですが、数年に一度の設備点検で社員寮の全室に設備業者が立ち入り検査を行うことが急遽決まったとのことでした。
ところが今回のお客様(Cさんとします)は部屋を部屋に大量のおしっこ入りペットボトルを貯めこんでしまったとのことでした。
その数なんと1000本ほど!
Cさんは会社では辛いことも多く、また嫌いな同僚も社員寮に何人か住んでおり、自室でビールを飲んで共用トイレに行こうとしてばったりと出くわすのが嫌でペットボトルに排尿をするようになっていったとのことでした。
さすがに大きなほうはトイレで用を済ませていたものの、ビール好きということもあり2~3本/日のペースでたまってゆき、2年近くがたち気付いたらもはや個人の力ではどうにもすることができないほど尿入りペットボトルがたまってしまったとのこと。