ゴミに埋もれたトイレと酷い汚れのトイレ掃除
私(高橋)にしたら見慣れた光景も人によっては絶望的に映ることもある。
私はそんな現場を多くこなしてきました。
今回の現場も私にとっては見慣れた光景でしたが、作業後にお客様に伺ってみると、絶望感しか感じることが出来なかったそうです。
それでは今回も若干のフェイクを加えつつ、今回請け負ったお仕事をお話していきたいと思います。
また、今回はトイレのクリーニングにフォーカスしてお話していきたいと思います。
今回は高橋がブログ担当させて頂きます。
※ご家族からは家の中の写真や動画の使用許可を得ており、またフェイクを加えた上でブログに掲載することも許可を得ております。
※家の外回りの写真使用は許可されておりません。
お客様からの問合せ
寒さが和らぎ、ようやく暖かい日が増えてきたころに「市役所から紹介されました」と、女性から連絡がありました。
緊張からか多少震えた声で、ご実家がゴミ屋敷になっており、また庭木が伸び放題で、庭も不用品が溜まっているので何とかして欲しいと連絡がありました。
その中でも特に言われたのが、「トイレが非常に汚れておりましてなんとかして欲しい」との依頼でした。
ご依頼の背景
話を伺うと、問合せをしてくださった女性は現在ゴミ屋敷になった実家に住まわれる父親の娘さんとのことでした。
お父様は昔はしっかりとした方だったそうなのですが、高齢になり約20年前より生活が急変し乱れ始めたとの事でした。
娘様は既に結婚され頻繁には実家に戻れないようになり、戻るたびに家の中がゴミで散乱していくようになり、今ではもはや一般人では手を出すことが出来ないレベルにまでなってしまったとのことでした。
そこで何度か片付けの業者を呼び見積りをとったものの、お父様からは「お金の無駄、そんなところにお金を使うなら別の事にまわせ」と怒られ結局片付けが出来なかったとの事でした。
福祉職員さんと何年にもわたる説得の上で、ようやくお父様は片付けを「無償なら」という条件で飲むことになりました。
そこで、今回は娘様からの依頼で当社のスタッフはあくまでも行政から派遣されたお手伝いボランティアで一切の費用は発生しないという設定で現場確認から作業までを行う事になりました。
※実際には有償で作業しております。
現場へ・・・
約束の日に現場である家に伺うとすでに娘さんが待っていました。
家の周囲はもとは低木だったであろう観賞植物が大きく成長し2階の屋根より高く成長し、枝木は伸び放題でとなり敷地まで越境してしまっている。
下をみると雑草が生え放題であり、雑草の間にたくさんのゴミが散乱している状態でした。
数分して市役所や福祉関係の職員さんが到着。
一通り挨拶を交わし、一番の注意事項であるボランティアとうい立場を改めて確認したところで娘さんがお父様に電話。
「おとうさん。市役所の職員さんたちやボランティアさんが到着したから出てきてね。もう家の前で待っているから。」
そう伝えてから数分がたっても家の扉が開く様子がない。
家の中がゴミ屋敷で歩くのに手間取っているのだとすぐに分かった。
特に高齢者のゴミ屋敷の片付けを多くこなしてきましたが、インターホンを鳴らしてから30分も家から出てこれなかった家もあるくらいだ。
10分近くしてようやく家の扉があいた。
最初に家の中から靴が放り出された。
高齢の男性が玄関の高い位置から飛び降りるように出てくる。
そして、先ほど放り出した靴をゆっくりと履いた。
お父さんは家の中では裸足で生活されていたのだ!
玄関の前にはゴミはないが、玄関から垂直に1メートルくらいの高さまでゴミが積もっている。
男性は家から出る時に一緒に落っこちたゴミを拾い、家の中に放り込むと私たちのほうへ笑顔で向かってきた。
「お父さん、こちらが今回お掃除をしてくれるボランティアさん」娘さんが紹介する。
「こんにちは、ボランティアのものです。今日はよろしくお願いしますね!」
「では、早速なのですがおうちの中を見せて頂けますか? 今回で綺麗にしちゃいましょうね!」と伝えると口数は少ないものの笑顔で「家の中に入って下さい」と、言ってくれた。
「では、申し訳ありませんが内履きで上がらせてください。」と、内履きをお父さんにみせると「いいですよ。」と、にっこりとされた。
玄関先で靴を脱ぎ、勢いをつけて家の中に入る。 そして内履きを履いた。
内履きで家の中に入る理由
ちょっと話は飛びますが、家の中がゴミ屋敷になっている場合は「土足で上がるのですよね?」と知り合いから尋ねられることが最近何度かありました。
当社は基本、住んでいる方が靴を脱いで家の中で生活されている場合は、どんなに床が汚れていようが必ず靴を脱いでお邪魔させて頂きます。
例え、床がウンチ塗れになっていようが必ず、内履きで上がらせて頂きます。
理由は簡単で住人が靴を脱いでいるところに土足で上がりこむのは大変失礼にあたるからです。
また、当社にお仕事の依頼が来るときには、福祉職員さんやご家族がかなりの時間をかけて、家の中を片付けるよう説得した後である場合が殆どとなります。
ようやく決まった片付けをお見積りの段階で家の中に土足で上がりこみ、住人の逆鱗に触れ、長期にわたる努力を無にするようなことは絶対に出来ないのです。
家の中の状況
家の中は酷いありさまとなっており、お父様の生活されている部屋も平均して1メートルはゴミが積みあがっているようすでした。
大量の新聞やコンビニ弁当などが散乱しており、ところどころにネズミのフンが見受けられました。
また、虫も発生しているようで非常に不衛生な状態であることが伺いしれました。
ゴミをかき分け、台所にいくと食べ残しとビールの空き缶が大量にあり、かなりの悪臭がします。
そして、「何とかして欲しい」と頼まれていたトイレに向かうと言葉ではなかなか言い表せない状態のトイレがそこにはありました。
これは、福祉職員さんやご家族にも見て、現状を理解して頂く必要があると判断し、外で待っている職員さんに声をかけた。
「申し訳ありませんが、家の中に入って一緒に見て頂けますか?」
「わかりましたが、私今日はうち履き持ってきていないのですが・・・」と職員さん。
見て貰わないわけにはいかないので「では、私の内履きを貸しますのでお願い致します」と続けた。
職員さんは小柄な女性だったので、自力で家の中には入ることが出来ず手を引っ張り上げて中に入ってもらった。
続いて娘さんも家の中にはいる。
娘さんはお父様から許可をもらいそのまま土足ではいる。
びっくりされる娘さんや職員さんを各部屋に案内し、最後にトイレを見て頂きました。
当然だが、想像を超えていたのでしょう。
絶句している娘さんたちに「問題ありません。使えるようになるまで綺麗にできます」と伝えた。
そのトイレが下の写真のものになります。
これまで多くのウンチ塗れで詰まったのトイレの回復作業を行ってきました。
これに関しても、「何とかなるでしょう。」という楽観的な気持ちが芽生えた。
もっとも、初めてこのようなトイレ掃除を依頼されたときは「逆立ちしても出来るわけない」などと気持ちが折れかかったこともありました。
しかし、その後、いくつもの手ごわいトイレと対峙してきて、また汚れたトイレを真っ白にするまでの過程を楽しむことも出来るようになりました。
どちらが安い?便器交換?それともクリーニング?
これは良く聞かれる質問ではあるのですが、クリーニングのほうが安上がりとなります。
もちろん、気持ちの問題で交換でなくては気持ち悪いので無理という方もいらっしゃるかと思いますが、安く済ませるということが優先順位となるのであれば、交換ではなくクリーニングをお勧めしております。
というのも、便器をそのまま交換すると言っても、汚すぎるトイレの場合は料金が異なってきます。
まず、トイレの床を洗浄し、便器を触れる程度にまではクリーニングします。
触れないほど汚れている場合は便器を交換するにもしようがないのです。
誰だってウンチ塗れの便器を狭いトイレ内で、頭を狭い隙間に入れたりしながら作業するのは非常に難しいのです(>_<)
従ってトイレ全取り換えの場合は便器やタンク、そして設置料、便器の処分費のほかにプラスしてトイレの便器や床のクリーニング費用が含まれることになってしまいます。
ゴミの除去が終わり、トイレのクリーニング作業へ
トイレは玄関からも確認できます。
下の写真で赤い〇で囲ってある扉の奥がトイレになります。
トイレを掃除するまでには玄関から奥の扉までまずはゴミをどけねば話になりません。
午前中はスタッフ一同でひたすらゴミを掻き出し、仕分けし、それをトラックに積み込む作業。
当然ながら想定していたものが大量に出てきました。
それはペットボトル入りのオシッコになります。
今まで、このようにトイレが使用できない状態の家の中からは必ずといってよいほどオシッコ入りのペットボトルが出てきました。
今回もお父様からは「そのようなものはない。」と伝えられておりました。
片付ける作業をする当事者としては事前に知っておきたい情報ではあります。
しかし、当然のことながら人としてペットボトルに排尿して、それを自宅内に放置しているということは恥ずかしいことですし、伝えるのが億劫になってしまうのも分かります。
もしくは、羞恥心があるからこそ、今回片付ければ次からはちゃんとキレイに過ごそうという原動力にもなるのかもしれません。
廊下にあるゴミには思った通り、便が付着しているものや、アンモニア臭がするゴミが少なからずありました。
それらを一生懸命袋詰めにしていく作業を続ける事数時間。
午後3時少し前にトイレの扉前まで片付けが進みました。
そしていざ、おトイレの掃除が始まります。
トイレの外観チェック
トイレを見ただけで分かることがあります。
ちょっとみてみましょう。
まずは①です。
手洗い排水溝の部分、タンクのフタの部分にものが乗っかっております。
ゴミも乾燥しており長期間トイレを流していないのかもしれません。
②は、見てそのままで便座とそのフタが外れてしまっていますので、交換が必要になります。
③は見てそのままズバリ、トイレが詰まっております。
タバコのフィルターなども浮いており、便器の中に排泄物とトイレットペーパー以外の異物が混入している可能性があります。
想像ですが、僅かずつ便器に溜まった尿が自然に流れてゆき、または尿が蒸発して水分が少なくなってくると、便器の中に排尿という行為を続けられたのかな?と思います。
それほどまでに便器は汚れておりました。
下にYOUTUBEで公開した動画がありますのでご興味ありましたらご覧くださいませ。
トイレ掃除開始
早速トイレ掃除開始です。
まず最初にしなければならないことは、トイレの中からゴミを取り出すことです。
踏み固められ、ちょっとやそっとではゴミを引っ張り出すことができません。
その為に引っ掻き棒や熊手などを使いゴミを廊下に掻き出します。
基本全てのゴミは排泄物と混ざり非常に不衛生な状態になっております。
ゴミを掻き出すたびに排泄物と交じり合った茶色いゴミが大量に出てきました。
動画でも分かると思いますが、茶色いゴミは基本全て排泄物であるウンチがこびりついております。
下の写真ではその様子が分かりやすいかと思います。
そして、全て掻き出したら、バラバラになったゴミを袋詰めしていく作業となります。
排泄物付着のものの為に基本、悪臭とアンモニア臭がする中の作業。
夏場ならばかなり大変になったのであろうと想像しながらの作業でした。
ゴミも取り除き、トイレに入れるようになったら次はついにトイレ掃除のメインイベントともいえる詰まりの直しとなる。
便器の中を覗くと、トイレットペーパーのほかにタバコのフィルターなどが見受けられ、排泄物やティッシュペーパーなどあるべきもの以外もあることが想像できた。
詰まって流れないトイレで無理やり排泄すると当然流れない大便や小便が溜まります。
そこからは当然悪臭が漂う。
その悪臭を防ぐために大小便の上に布をかぶせ、かぶせた布の上に更に大小便をする。
臭いを気にして次は新聞紙をひき、その上に更に大小便をするが繰り返されるのだ。
しかし、ここのトイレは幸いにも便器内を探ってみたところ、異物らしい異物はありませんでした。
私の場合は臭いを防ぐためにタオルや服やら、画鋲などが入っていることがあるので強引に長そうとはせず、基本全てを手づかみで掻き出すことにしています。
確かに余り気持ちよい作業とは言えないかもしれませんが、強引に流そうとしてトイレの詰まりが酷くなるリスクを考えると必ず手づかみで便器内のゴミを取り出す方が良いと考えてます。
ようやく便器内のゴミを掻き出し、便器を磨く作業に移ります。
サンポールで尿石を浮かせて、どんどん汚れを取り除きます。
そして、磨き上げてから新品の便座を取り付けます。
はい、完成しました!
娘さんや福祉職員さんも当初の状態からここまで綺麗に出来るとは本気で考えていなかったらしく本当に驚かれておりました。
お父様も早速新しいトイレを使用され、ちゃんと流すことができたと娘さんと喜ばれておりました。
今回は記載しておりませんでしたが、別室の寝室として利用されていた部屋も全てのものが片付き、畳が見えるように。
当社から寄付したマットレスを畳に敷き、そして中古ながらとてもきれいなお布団を敷く。
お父さんからしたら20年ぶりに畳の上で、綺麗なお布団で就寝出来るのかもしれない。
お見積り時、大量のゴミの上に敷いてあったものは布団として使われていたであろう茶色に染まった汚い綿の塊でした。
デコボコのゴミの上で毎晩寝るのは高齢者のお父さんにとっては大変だったことだろう。
綺麗に片付いたあの日からお父さんが気持ちよく寝ることができ、行きたいときにトイレにゆき、気持ちよくトイレを使ってもらいたいと思います。
おわり
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