プロローグ
当社はいまでこそ複数人の弁護士さんや司法書士さんと仕事上でのお付き合いがあり、さまざまな形で遺品整理やお片付けなどの家財処分のお仕事を頂いております。
このようになるには弁護士さんからホームページ経由でお仕事のお見積り依頼を頂いてから、完了まで精いっぱいお仕事をさせて頂き、法律事務所の方に気に入って頂けるように努力してきたからだと思います。
当初は何とか弁護士さんとお近づきになりたく、法律事務所さんへ飛び込み営業などをしたりしたものですが、見事なほどの門前払いに次ぐ門前払いで玉砕をしてまいりました。
「お呼びでない」とか、「もう来るな」とか散々で泣きそうでした(汗)
※お仕事の邪魔して本当に申し訳ありませんでした!(;^_^A
その為、当社ホームページから弁護士さんから依頼を受けた際は泣くほど嬉しく一生懸命お仕事をさせて頂き、何とか当社のリピーターさんになって頂いたものです。
ホームページ経由で連絡があり、知り合う弁護士さんたちは本当に優しくて、頭がよくて、素敵な方たちばかりで、飛び込み営業時代にあった「弁護士さんは気難しくて偏屈な人が多い!(ゴメンなさい)」っていう私の偏見を見事に吹き飛ばして下さったものです(;^_^A
さて今回のお話は数ある弁護士さんとのお仕事の中でもちょっと変わった終わり方をした案件のお話となります。
いつものとおり、若干のフェイクを加えつつ、個人などが特定されないように書いていきます。
宜しければご覧くださいませ。
事のはじまりは家具移動からでした
いつもの通り電話がなり、いつもの福祉施設のお客様から連絡が入る。
いつもの通り電話にでて、いつもの通りに挨拶をする。
いつもの通りにちょっとだけ世間話をしたあと、いつもの通りにお仕事のお話を伺いました。
いつもの通りの何気ない依頼から今回の事件は始まりました。
依頼の内容は家具をとある団地から老人ホームに運び入れて欲しいとの事でした。
家具は一個だけだし、信頼もあるので見積り&GO!でお願いしますとの事でした。
つまり、その場でお見積りし即作業ということです。
「ちょっと問題の多いおばあちゃんなので申し訳ありません。」との事でしたが、基本うちのお客様はそんな方が多いのであまり気にせず早速、団地に伺いお客様の高齢女性にあう。
家の中に案内されると、そこは仰天するほどの猫屋敷&ゴミ屋敷でした。
団地の中では動物を飼っては行けないことになっているにも関わらず、一体何匹いるのやら。
猛烈な猫の悪臭に耐えながら指定された家具を男性スタッフに運んでもらった。
ひざ丈以上のゴミがある中、猫の糞尿で汚れた家具をなんとか外に運び出し消毒&軽いクリーニング。
当然、そのままの状態では不潔すぎて老人ホームに運びこめない。
家の外に出るときに室内の壁に裁判所から「強制執行」と「差し押さえ」に関する書類が張り付けられていることに気が付いた。
今回「家財処分」のお仕事がなかった理由が何となくわかった。
しかし、強制執行の執行官がやってくるにせよ、あのような猫屋敷でゴミ屋敷な中で一体何を差し押さえるのかは興味があった。
だって、私からみたら全てが猫の糞尿にまみれた不用品に過ぎなかったから・・・・。
それから約1年後・・・
また いつもの通り電話がなり、いつもの福祉施設のお客様から連絡が入る。
また いつもの通り電話にでて、いつもの通りに挨拶をしようとすると、挨拶もそこそこに
お客様「尾上さん、すみませんが緊急でお見積りして欲しいのですが。」
尾上「もちろんです。どちらに行けばよいですか?」
お客様「去年、○○団地の猫屋敷の▲▲さんって覚えていますか?あの老人ホームに家具を持って行ってもらった!?」
尾上「もちろん覚えています。」
お客様「では、そこの老人ホームで入居している部屋を退去というより追い出される事になったのですぐにお見積りしてください。お見積り書は▲▲さんの弁護士さん宛でお願いします! それと作業日は〇月〇日の午後1時から2時間以内で終了させてください!」
とのことでした。
いろいろ指定があり難しい現場なのかなぁという事情はともかく、また弁護士さんとお近づきになれることが嬉しかったことを覚えています。
たった2秒の現場確認時間!!
困った顔をした職員さんに現場に案内されると、そこでは昨年お会いしたおばあちゃんと老人ホームの別の職員さん数人の間でバトル中でした。
おばあちゃんは電話で弁護士さんと話しながら、職員さんと言いあい。
何をもっていって、何を捨てるかなどのお話もしている。
そのような中で、職員さんから「今から▲▲さんの部屋に入ってお見積りお願いします。」と伝えられた。
入ろうとすると、おばあちゃんが猛然と食って掛かり、「絶対に部屋にはあがらせないから!私のものは何一つ処分させないから!」と大声を上げる。
そんなやり取りが10分くらい続いたあと、おばあちゃんが私に背を向け自室に入っていきました。
その時です。
職員さんが、「今です。中に入ってください。構いませんから!」と耳元でささやきました。
とっさの事でおばあちゃんの背中にぴったりとくっつくように部屋の中へいざ入り、部屋の中を見回した瞬間でした。
おばあちゃんが振り返り、「あなた何勝手に人の部屋にはいっているのよ!」と声を上げ部屋から追い出されてしまいました。
部屋の中を見回した時間はおよそ2秒くらいだったかと思います!
しかし、たった2秒ではありましたが、部屋の中にかなり物があふれていることは伺い知ることができました。
それまでも老人ホームの退去によるお片付けは数多くこなしてきており、平均的な片付け費用は15000円~25000円の間であり、最高でも5万円ほどでした。
そのため、部屋の中はよく見れなかったものの5万円もあれば十分事足りると考えており、弁護士さんには5万円+税でお見積りさせて頂きました。
いざ、お片付け決行!
当日は片付け終了までの制限時間が決まっていた為、男性スタッフ2人と私の3人で作業を行うことにしました。
周りの利用者さんが「あのおばあさん、ついに追い出されちゃうんだって!」と、噂しながらの中、いざ作業開始。
部屋の中にはいるとすぐにいつもと勝手が違うことに気が付きました。
「部屋が広い!そしてなぜかお風呂までついている!」。
お見積り時には気が付かなかったのですが、なんとそこはゲストルームという遠くからご家族がやってきた際に泊まる部屋だったのです。
お風呂がついているのは別にいいにしても、物量が多すぎました。
お風呂の中はどこで手に入れたかもわからないような雑貨で天井まで物が詰まっている。
トイレももはや使用できないほどに服や靴などがぎゅうぎゅう詰めに詰め込まれている。
押入れも、お布団やら生活雑貨やらでパンク寸前の状態。
「お見積り金額間違えたー!」というのが素直な感想でした。
お風呂場もトイレも、押入れの中も見れなかったし仕方がありませんでした。
物量は2㌧トラックがほぼ満載状態になり、予定していた物量を大幅に超えてしまった。
それでもお見積りはお見積り。
2秒しか現場を見ていないというのは言い訳にもならない。
ともかく指定されていた時間内には物を全てトラックに積み込みなんとかお片付けのお仕事を終了させることが出来ました。
弁護士さんへ請求書を送付
結果として割に合わない仕事にはなってしまいましたが、無事に現場を終わらせたため、▲▲さんの弁護士さんと電話で連絡を取りながら請求書を弁護士さんに送ることになりました。
今でもそうですが、基本弁護士さんからの入金などは早くて、正確で安心出来ました。
今回もすぐに入金してくれるものとばかり考えていました。
なかなか入金がない・・・
ところが今回は入金がなかなかありませんでした。
もちろん弁護士事務所さんによっては不動産屋さんのように「月末〆翌月末払い」ということもあるだろうと全く気にしていませんでした。
ところが・・・・、翌月末になっても支払いが起こされません。
「いやいや、大手の企業なんて月末〆の翌々月末払いだって珍しくないんだから!」と、自分を納得させ更にひと月待つことにしました。
ついに弁護士さんから連絡が!
そして待つこと3か月ちかく。
ついに弁護士さんより手紙が届きました。
「あれ!? なんで手紙がくるの!?」と、言うのが当時の素直な感想。
だって、弁護士さんからは茶封筒が一つ届いただけでしたから。
とりあえず、手紙を開封して読んでみました。
手紙の驚愕の内容!
読んでびっくり、手紙の内容は「▲▲さんは支払い能力がなく、債権者の方には支払いを行うことができません。自己破産するのでご理解ください」という内容でした!
えっ!
えっっ!!
ええっっっ!!!
えええええええええええええ!!!!!!
そんなぁぁあああ!!!!!!!
だって、だって、ただでさえ割に合わない仕事どころか、大赤字のお仕事。
少しでも足しになればと待ちに待った請求金額の入金のハズのお知らせが、「自己破産」でかつ「支払えません」ので「よろしくね!」ってことになってしまっているのですもん!
そりゃ、ショックですよ!
そりゃ、死にましたよ!
ショック過ぎて・・・・!
と言いますか、弁護士さんは▲▲さんが支払い能力ないってこと知らなかったのですか!?!?
知らないわけないですよねーー!!!( ノД`)シクシク…
この▲▲さんは以前にも資産の差し押さえを受けて、強制執行まで受けているんです。
そのような方の弁護引き受けられるのであれば経済状況知っていますよねーー!(´;ω;`)ウッ…
これってすごく計画的なのでは・・・・・!?!?!?
計画的だよねって思ってしまいますよぉウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン!!!!
ウチも「弁護士」さんがついているから、「安心」してお仕事したんですよ~!!
。 。・゚゚(ノД`)あ゙~ん
で、手紙には「お問合せはこちらまで」なんて感じで電話番号が書いてあったのかと思います。
さっそく、その電話番号に連絡してみることにしました!
とは言え・・・・
手紙の内容からして既に破産手続きに入っているようであり、弁護士さんとケンカしたところで間違いなく負けてしまいます。
「なんとかお支払いください!」と土下座していったところで日本の法律に乗っ取って粛々と破産手続きされている訳で「出来ません」の一言で終わってしまいます。
では、どうすればよいか思案にくれましたが、一つ良い案がうまれました。
妙案!
今回の焦げ付き金額はたったの5万円なり!
それだったら、「この5万円の支払いはどうでも良いので、今回の弁護士さんにうちの会社をよく知ってもらって、いつか大き目のお仕事を頂ければ、一回のお仕事で5万円くらいすぐに取り戻せるじゃん!」と言うものでした。
新しい弁護士さんとお近づきになれるのであれば、5万円なぞ営業費としてみなせば安いものです。
プロローグでもお話したとおり、弁護士さんへの営業は困難を極めます・・・と言いますか、全て玉砕でした(汗)。
飛び込み営業しても基本門前払いで「二度と来んな!」で終わります。
しかし、一旦何らかのきっかけでお付き合いが始まれば定期的にお仕事を頂ける!
これは弁護士さんとケンカをするのではなく、「5万円なんていらないからウチと付き合って(^^♪」ということが正しい!
圧倒的に正しすぎる!!
そう思い、さっそく弁護士さんに電話してみた。
尾上
「もしもし、わたくし日本整理の尾上と申します。○○法律事務所の●●弁護士さんでいらっしゃいますでしょうか?」
弁護士さん
「はい、わたくしです。」
尾上
「本日お手紙頂きまして▲▲さんが自己破産されるとのことでご協力して欲しいとのことで、これに関してお話したいことがあるのですが・・・。」
弁護士さん
「あっ・・、あっ・・・、その件ですね。えーっと、それは・・・」
明らかに動揺を隠し切れない様子!!
「これはしめた!」と、思い弁護士さんに畳みかける!
尾上
「あっ、いえ、わたくし別に今回の件で、クレームを言う為に電話したわけではないのです。」
弁護士さん
「っ!!!」
尾上
「弁護士さんの元で自己破産されるわけですから、もはや何言ってもお金をお支払い頂けないのは分かっているのです。
それなら、イロイロ背景はあるにせよこうやって知り合うことも出来たわけですので宜しければ一度○○法律事務所さんにお邪魔させて頂き、当社の会社案内だけでも受け取って頂けないものかと考えた次第です。
わたくしも弁護士さんからお仕事を頂くことがあるので、宜しければこれを機にお仕事上のお付き合いをして頂ければ大変嬉しく思います!」
弁護士さん
「なるほど!そういうことだったのですね!いやー、やはりこういう案件はご理解いただけない事が多いものですから、そう言って頂けると助かります。」
尾上
「(やっぱり、思ったとおり!( *´艸`) )」
「では、早速ですが近々お伺いできれば嬉しいのですが・・」
弁護士さん
「あー、それはちょっとまずいですね・・・。
まだ御社と代理人の間では係争中の間柄になっておりまして、3か月後に正式に裁判所から自己破産したことが決定しますので、それまでお待ちいただけますか?
このケースがクローズしましたら私から尾上さんへ改めて連絡させて頂きますね。」
※このへんの法律関係の用語ややり取りはかなり記憶が曖昧ですが、こんな感じのやりとりでした。
尾上
「了解いたしました。では是非今後良いお付き合いをしていきたいのでよろしくお願い致します。」
弁護士さん
「わかりました。ご連絡ありがとうございました。」
このような感じで電話は終わり、わたくしは
やったー!また、新たな弁護士さん1人ゲットー!!!
などと、大喜びしておりました。
そして3か月が過ぎました
弁護士さんから連絡は何もありません。
そして半年が過ぎました
弁護士さんから連絡は何もありません。
そして1年が過ぎました
弁護士さんから連絡は何もありません。
そして数年経って今にいたります・・・
弁護士さんから連絡は何もありません・・・・・。
いや、わたくしも忙しかったのを理由にして強引にでも会いに行かなかったのも悪いのです(>_<)
けれど、弁護士さ~ん、連絡くださると言ったのだから何か連絡くださいよー(T_T)
もしかして、▲▲さんを自己破産にして、うちの会社に(たったの5万円だけれど)損害を与えてしまったことを苦にして、わたくしと連絡とりずらい気持ちになってしまったのかな・・・・!?!?
まったく問題ありません!
今からでもいいので、わたくしのこと、当社のことを覚えていたら是非とも連絡ください!
わたくしは全く怒っていません!
まだまだご連絡お待ちしておりますのです!!
と、言うのも・・・
その後、当社事務所移転したり、倉庫移転したり、そのどさくさで弁護士さんから頂いた手紙をはじめ、書類一式が見つからなくなってしまい、連絡先も、弁護士さんの事務所名も忘れてしまっているのです!
エピローグ
▲▲さんの自己破産によってお支払いを受けることが出来なかった業者は当社だけではありませんでした。
老人ホームさんも料金を回収出来なかったりしたそうで、結局泣き寝入りになってしまったそうです。
▲▲さんの仕事を当社へ仲介してくださった福祉事務所の職員さんは自己破産のことはつゆ知らず仰天されていました。
「とんでもないおばあちゃん」と老人ホームも、福祉事務所の職員さんも仰っていましたが、具体的に何があったのかは今でも分からず、それ以上にあまり個々の案件には深入りしないようにしている。
今回の○○法律事務所さんとは結局お付き合い出来ないでいますが、次回もこんな感じでいきなり「自己破産です!」やられたら(金額にもよりますが(;^_^A )やっぱり「お金いらないので当社と付き合ってください!!!」なんてやると思う。
紆余曲折あってわたくしも社長さんをやっていますが、ちょっとネガティブな案件も思考を変えればうまくポジティブに持っていくことが出来ると学んだ案件でもありました。
今でも笑い話になっているし、5万円程度でこんなネタ貰えるなら安いものと思ったりしています。
今後も当社ではたくさんの法律事務所さんからのお仕事の依頼をお待ちしております。
ぜひとも、ぜひとも当社へご連絡頂ければと思います。
毎回毎回は困ってしまいますが、一度くらいの自己破産&支払い不能案件ならなんとかしちゃうかもしれません(笑
それでは連絡お待ちしております!
おわり
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群馬県、東京都を中心に行っております。
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片付けに関することであれば何でも結構です。
「こんなこと聞いて大丈夫かな・・・!?」と思わずお気楽に何でも質問・相談を私たちにぶつけてください。
質問・相談でも将来のお客様かもしれません。
一生懸命親身に相談に乗らせて頂きますのでよろしくお願い致します。
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